頚椎椎間板ヘルニア
首から肩、そして指先にかけての痛みやしびれにお悩みではありませんか。頚椎椎間板ヘルニアは、首の骨の間にあるクッションの役割を果たす「椎間板」が飛び出し、神経を圧迫することでさまざまな症状を引き起こす病気です。
頚椎椎間板ヘルニアの症状について
頚椎椎間板ヘルニアの症状は、神経が圧迫される場所や程度によって、実に多岐にわたります。初期の段階では、首を動かしたときの後ろ側の痛みや、肩こりのような重だるさを感じることが多いです。しかし、症状が進むにつれて、特定の動作をした際に電気が走るような鋭い痛みが腕や手先にまで広がるようになります。
臨床現場でよく見られる具体的な症状には、以下のようなものがあります。
- 首から肩、肩甲骨周辺にかけての激しい痛みやこり感
- 腕から手、指先にかけてのしびれや、感覚が鈍くなる感覚
- 握力の低下や、お箸が使いにくい、ボタンが留めにくいといった細かい動作の困難
- 重症化した場合、足のもつれや歩行障害、排尿のしにくさといった全身への影響
特に、首を後ろに反らせたり、痛みがある側に首を傾けたりすると、腕へのしびれが強くなるのが大きな特徴です。これを放置してしまうと、筋肉が痩せてしまったり、神経のダメージが回復しにくくなったりする予後(今後の経過の見通し)に関わることもあるため、注意が必要です。
当院では、患者さんがどのような動作で困っているのか、日常生活のどの場面で痛みを感じるのかを丁寧にお聞きします。芦屋市の「ささき整形外科リハビリクリニック」では、身体診察に加えて必要に応じて精査を行い、他の病気の可能性を否定(その病気ではないと判断すること)しながら、正確な診断を目指しています。
頚椎椎間板ヘルニアの原因について
なぜ、頚椎椎間板ヘルニアは起こるのでしょうか。主な原因は、椎間板の加齢に伴う変化、つまり変性です。椎間板は中心にある「髄核」と、それを取り囲む「線維輪」という組織でできていますが、20歳を過ぎた頃から少しずつ水分が減り、弾力性が失われていきます。
しかし、加齢だけが原因ではありません。現代社会特有の生活習慣も大きなリスク因子(病気になりやすい要因)となっています。
- 長時間にわたるパソコン作業やスマートフォンの操作による「前かがみ」の姿勢
- 重い荷物を持ち上げる、あるいは首を激しく動かすようなスポーツや仕事
- 首への急激な衝撃が加わる交通事故や転倒といった外傷
- 喫煙習慣や遺伝的な体質による椎間板への栄養不足
最近では、いわゆる「スマホ首」のように、首の自然なカーブが失われることで、特定の椎間板に過度な負担がかかり、ヘルニアを発症する若い世代の方も増えています。私たちは、レントゲン検査だけでなく、生活環境や姿勢の癖まで含めて原因を追究することを大切にしています。
頚椎椎間板ヘルニアの病気の種類について
頚椎椎間板ヘルニアは、神経のどこが圧迫されているかによって、大きく2つのタイプに分類されます。どちらのタイプかを見極めることは、治療方針を決定する上で極めて重要です。
神経根症(しんけいこんしょう)
背骨から腕へと伸びていく神経の枝(神経根)が、片側で圧迫されるタイプです。主な症状は、左右どちらか一方の腕の痛みやしびれです。多くの場合、適切な保存療法によって症状が改善し、日常生活に支障がない状態である寛解(症状が落ち着いた状態)を目指すことが可能です。
脊髄症(せきずいしょう)
背骨の中心を通る太い神経(脊髄)そのものが圧迫されるタイプです。この場合、症状は両側の手足に現れることが多く、手の細かい動きができなくなったり、足が突っ張って歩きにくくなったりします。脊髄は非常にデリケートな組織であるため、症状が進行している場合には、早期の処置が必要になることがあります。
ご自身の症状がどちらに近いのか不安な方も多いと思いますが、当院では日本整形外科学会認定の脊髄脊髄病医としての視点を持ち、専門的な評価を行います。
頚椎椎間板ヘルニアの治療法について
当院では、患者さんのライフスタイルや希望を尊重し、まずは手術をしない保存療法を原則としています。20年以上の臨床経験に基づき、医学的根拠のある治療を組み合わせて提供します。
内服薬・ブロック注射による痛みの緩和
神経の炎症を抑えるための消炎鎮痛剤や、神経の過敏性を抑えるお薬、血流を改善するビタミン剤などを処方します。痛みが強い場合には、神経の近くに薬を直接届けるブロック注射を検討することもあります。
理学療法士によるリハビリテーション
ささき整形外科リハビリクリニックの大きな強みの一つは、経験豊富な理学療法士による運動療法です。首への負担を減らすための姿勢改善や、首周りのインナーマッスルを鍛えるトレーニング、柔軟性を高めるストレッチなどを個別に行います。リハビリテーションにより健康維持を目指しますので、再発予防にも非常に効果的です。
日常生活のアドバイス
治療と同じくらい大切なのが、日々の過ごし方です。デスクワークの環境調整や、枕の高さの選び方、首に負担をかけない寝方など、具体的なアドバイスを行います。
料金について
当院の診療は原則として保険診療となります。
| 項目 | 内容 | 費用(税込) |
|---|---|---|
| 初診料・再診料 | 保険診療に準じます | 窓口負担割合による |
| 骨密度測定 | 全身型測定器による精密検査 | 保険診療適応 |
※自由診療の費用は、使用するキットや範囲により変動する場合があります。詳細については診察時に丁寧にご説明いたしますので、ご安心ください。
頚椎椎間板ヘルニアについてのよくある質問
Q1. 手術をしないと治らないのでしょうか?
A1. 多くの患者さんは、リハビリやお薬、注射などの保存療法で症状が改善します。ただし、筋力の低下が著しい場合や、歩行に障害が出ている場合には、タイミングを逃さずに手術を検討する必要があります。当院では適切な時期を見極め、必要な場合は連携病院へスムーズにご紹介します。
Q2. 首の牽引(けんいん)治療は効果がありますか?
A2. 牽引によって神経への圧迫が和らぎ、症状が軽くなる方は多くいらっしゃいます。しかし、無理に引っ張ると逆に痛みが強まることもあるため、当院では患者さんの反応を見ながら慎重に行います。
Q3. 枕はどのようなものを使えば良いですか?
A3. 高すぎる枕は首を前屈させ、椎間板への負担を増やします。仰向けに寝たときに首が自然なカーブを保てる高さ、かつ横向きになったときに肩の高さに合うものが理想的です。当院のリハビリスタッフが個別に相談に乗ることも可能です。
Q4. スポーツは続けても大丈夫でしょうか?
A4. 痛みが強い時期は安静が必要ですが、症状が落ち着いてくれば、首に衝撃がかからない運動から再開できます。
院長より
「最近、なんとなく首が重いな」「腕がしびれるけれど、年だから仕方ないかな」と、お一人で悩んでいらっしゃいませんか。私はこれまで20年以上にわたり、大学病院や地域の中核病院の整形外科部長として、数多くの患者さんの治療に携わってきました。その経験から確信しているのは、早期発見と、その方に合った適切なアプローチが、早期回復への一番の近道だということです。
私たちのクリニックでは、最新の知見と温かみのある医療を融合させ、患者さんが「ここに来てよかった」と思える場所を目指しています首の痛みやしびれは、身体からの大切なサインです。まずは気軽にお話を聴かせてください。理学療法士をはじめとするスタッフ一同、皆さんの歩みに寄り添い、共に改善を目指してまいります。
