装具療法
金曜日15時30分~16時45分に 厚生労働省認定 義肢装具士による装具外来を行っております。まず医師の診察を受けて頂き、
装具療法とは、コルセットやサポーター、義足、インソール(足底挿板)などの装具を用いて、痛みのある部位を固定して保護したり、変形した関節を矯正したりすることで、身体の機能を回復させる治療法です。ささき整形外科リハビリクリニックでは、日本整形外科学会専門医としての20年以上の臨床経験に基づき、患者さん一人ひとりの病態や生活スタイルに合わせた最適な装具を選択しています。当院では特に膝関節周囲疾患の専門的加療に力を入れており、装具によって関節の負担を軽減しながら、理学療法士によるリハビリテーションを組み合わせることで、早期の機能回復と日常生活への復帰を目指します。芦屋市海洋町周辺にお住まいの皆様が、痛みから解放され、自分らしく動ける喜びを取り戻せるよう、専門的な視点からサポートいたします。
装具療法の施術と役割について
装具療法は、単に幹部を固定するだけではありません。医学的な目的として、主に以下の5つの役割があります。患者さんの症状に合わせて、これらの目的を組み合わせて装具を処方します。
- 免荷(めんか)・・体重による負担を軽減し、患部の安静を保ちます。
- 固定・・骨折や捻挫、手術後の部位が動かないように制限し、治癒を促進します。
- 支持・・弱くなった筋力や不安定な関節を支え、姿勢や動作を安定させます。
- 矯正・・関節の変形を予防したり、正しい位置に整えたりします。
- 代償・・麻痺などで失われた身体機能を、装具の力で補います。
装具の種類と特徴
装具には、使用する素材や目的によって大きく2つのタイプに分けられます。症状の強さや活動度に合わせて、私たちが適切なものを提案いたします。
軟性装具
サポーターや布製のコルセットなどがこれに該当します。比較的軽度の痛みや、動作の補助を目的として使用されます。装着感が柔らかく、日常生活に取り入れやすいのが特徴ですが、強い固定力は期待できません。
硬性装具
プラスチックや金属、皮革などを用いた強固な装具です。骨折の固定や、脊椎の術後、あるいは重度の関節変形に対して使用されます。強力な固定や矯正が必要な場合に選択されますが、装着に慣れが必要な場合もあります。
装具療法で対応する主な疾患や症状
整形外科領域において、装具療法が適応となる疾患は多岐にわたります。当院では特に、膝や腰、足の痛みに対して多くの処方実績があります。
膝関節の疾患
膝は体重が直接かかるため、装具による負担軽減が非常に効果的です。当院では膝関節の専門的な知見を活かした処方を行っています。
- 変形性膝関節症・・膝の内側に偏った荷重を外側に逃がす装具などが有効です。
- 膝靭帯損傷・・前十字靭帯や内側側副靭帯の損傷後、関節の横揺れを防ぐために使用します。
- 半月板損傷・・関節の異常な動きを制限し、半月板への刺激を抑えます。
- オスグッド病・・スポーツをする成長期のお子さんに多く、腱の牽引力を抑えるベルトを使用します。
腰部・脊椎の疾患
腰痛は日常生活の質を大きく下げてしまいます。腰椎を支える装具を用いることで、痛みの軽減と動作の安定を図ります。
- 腰椎椎間板ヘルニア・・腹圧を高めて腰椎の負担を減らすコルセットを使用します。
- 腰部脊柱管狭窄症・・過度な腰の反りを抑えることで、神経の圧迫を和らげます。
- 腰椎圧迫骨折・・高齢の方に多い骨折で、骨が固まるまで硬性コルセットで固定します。
- 腰椎分離症・・成長期のスポーツ選手に多く、骨の癒合を目指してしっかりと固定します。
足部・足関節の疾患
足の裏や指の痛みには、靴の中に入れるインソール(足底挿板)が非常に効果を発揮します。歩行バランスを整えることで、膝や腰への負担も軽減されます。
- 外反母趾・・足のアーチを支え、親指の付け根にかかる圧力を分散させます。
- 足底腱膜炎・・かかとや足裏の痛みを和らげるために、クッション性の高いインソールを用います。
- 扁平足・・下がってしまった土踏まずを持ち上げ、足全体の疲れや痛みを防ぎます。
- 足関節捻挫・・再発防止のために、足首の横方向の動きを制限するサポーターを用います。
当院でおこなっている装具療法について
ささき整形外科リハビリクリニックでは、単に装具を渡すだけでなく、医学的根拠に基づいたオーダーメイドの処方を大切にしています。日本整形外科学会専門医として培った知識を最大限に活用し、最適な治療を提供します。
専門の義肢装具士との連携
当院では、専門の義肢装具士(国家資格を持つ専門職)と密に連携しています。医師の診断と指示に基づき、義肢装具士が患者さんの身体を直接採寸・採型し、ミリ単位で調整された装具を作製します。既製品では対応できない複雑な変形や、細かな装着感の要望にも応えることが可能です。
膝関節専門医としてのこだわり
院長は、神戸大学大学院やアメリカのピッツバーグ大学で膝関節治療を専門的に学んできました。その経験から、膝の装具一つとっても、単なる固定ではなく「いかにスムーズに動けるか」を重視しています。適切な装具はリハビリテーションの効果を加速させます。スポーツをする方には競技復帰を見据えたものを、高齢の方には転倒防止に配慮したものを選択します。
骨粗鬆症治療との組み合わせ
精度の高い全身型骨密度測定器を用いた骨粗鬆症加療においても、装具は重要な役割を果たします。骨密度が低下している方は、軽微な衝撃で脊椎圧迫骨折などを起こすリスク(骨折のしやすさ)があります。骨粗鬆症の薬物療法を行いながら、コルセット等で背骨を支えることで、将来的な円背(背中が丸まること)や追加の骨折を予防します。
装具療法の料金について
医療用装具の処方は、原則として健康保険の適用となります。ただし、通常の窓口負担とは異なり、一旦全額を義肢装具士(装具製作会社)へ支払い、後日ご自身で保険者に申請することで、7割から9割が払い戻される「療養費払い」という制度が一般的です。
費用の目安(全額負担時の概算)
| 装具の種類 | 費用の目安(10割) | 備考 |
|---|---|---|
| 腰痛用軟性コルセット | 約15,000円 - 25,000円 | 素材やサイズにより変動 |
| 膝関節サポーター(金属支柱付) | 約20,000円 - 40,000円 | 片足分 |
| オーダーメイドインソール | 約20,000円 - 35,000円 | 両足分 |
| 硬性腰椎コルセット | 約40,000円 - 70,000円 | 圧迫骨折用など |
※上記はあくまで目安であり、実際の形状や材料によって金額は前後します。手続きに必要な書類(診断書等)は当院で作成いたしますのでご安心ください。
装具療法についてのよくある質問
Q1.装具はずっと着けていなければなりませんか?
A1.疾患や治療の段階によって異なります。骨折直後は24時間の装着が必要なこともありますが、症状が落ち着くにつれて、外出時や運動時のみに限定していくのが一般的です。筋力低下を避けるためにも、医師の指示に従って徐々に外す時間を増やしていきます。
Q2.寝る時もコルセットやサポーターは必要ですか?
A2.圧迫骨折や重度の腰痛、手術直後などの場合は、寝返りによる痛みを防ぐために装着を勧めることがあります。しかし、多くの場合、就寝中は外してリラックスしていただいても構いません。診察時に個別の状況に合わせて判断いたします。
Q3.装具が汚れたら洗っても大丈夫ですか?
A3.軟性装具(サポーターや布製コルセット)の多くは手洗いが可能ですが、金属の支柱が入っている場合は取り外す必要があります。インソールは水洗いすると型崩れすることがあるため、硬く絞った布で拭く程度にしてください。作製時に同封される取扱説明書を必ずご確認ください。
Q4.市販のサポーターと、病院で処方される装具は何が違いますか?
A4.最大の目的は「治療」としての精度です。市販品は多くの方に合うように作られていますが、病院の装具は日本整形外科学会専門医の処方箋に基づき、特定の関節の動きを制限したり、特定の部位の負担を逃がしたりするように精密に設計されています。また、健康保険が適用される点も大きな違いです。
Q5.装具を使い続けると筋力が落ちると聞いたのですが?
A5.確かに、長期間漫然と強力な固定を続けると、その周囲の筋肉が弱くなる可能性はあります。そのため当院では、装具療法と並行して理学療法士によるリハビリテーションを行い、必要な筋力を維持・強化することを重視しています。装具はあくまでリハビリを円滑に進めるための「杖」のような存在と考えてください。
院長より
装具療法は、整形外科治療において非常に重要な役割を担っています。私はこれまで20年以上にわたり、大学病院や関連病院、そしてアメリカのピッツバーグ大学などで、多くのスポーツ選手や高齢者の治療に携わってきました。その中で強く感じているのは、適切なタイミングで適切な装具を使うことが、完治への近道であるということです。痛みがあるからといって、ただ安静にしているだけでは、かえって筋力が衰え、回復が遅れてしまうこともあります。装具で適切にサポートしながら、可能な範囲で身体を動かしていくことが、機能回復の鍵となります。
当院は、神戸大学の臨床講師も務める私が、専門的な知見をもって直接診察にあたります。膝関節の痛みや、スポーツでの怪我、長引く腰痛、足の裏の違和感など、どんな小さなお悩みでも構いません。芦屋市海洋町の芦屋駅から通いやすいこの場所で、皆様が安心して治療を受けられる環境を整えています。理学療法士とともに、あなたの状態に最も適した装具を選び、一日でも早く笑顔で歩けるよう、心を込めて診療いたします。どうぞお気軽にご相談ください。
