肩関節周囲炎
肩関節周囲炎は、一般的に「四十肩」や「五十肩」として広く知られている疾患です。ある日突然、肩に鋭い痛みを感じたり、腕が上がらなくなったりすることで、日常生活に大きな支障をきたします。芦屋市海洋町に位置するささき整形外科リハビリクリニックでは、肩の痛みで悩む多くの患者さんと向き合ってきました。私たちは、単に痛みを取るだけでなく、機能回復と早期復帰を重視した専門的な加療を行っています。肩関節周囲炎は放置すると関節が固まってしまう「凍結肩」という状態になり、回復に時間がかかることもあるため、早期の適切な診断が欠かせません。芦屋浜エリアにお住まいの方や、スポーツを楽しみたい方、高齢の方まで、一人ひとりに寄り添った医療を提供することをお約束します。
肩関節周囲炎の症状について
肩関節周囲炎の症状は、その進行度合い(病期)によって大きく変化するのが特徴です。多くの患者さんが最初に自覚するのは、肩を動かしたときのひっかかるような違和感や、ふとした瞬間に走る鋭い痛みです。
もっとも代表的な症状として挙げられるのが、夜寝ているときに肩がうずくように痛む「夜間痛」です。寝返りを打つたびに目が覚めてしまうほど痛むこともあり、これが原因で睡眠不足に陥る患者さんも少なくありません。また、日常生活において「高いところにある物が取れない」「背中のファスナーが上げられない」「エプロンの紐が結べない」といった、腕を上げたり後ろに回したりする動作が制限されるようになります。
症状の経過は、主に以下の3つの時期に分けられます。
- 炎症期・・痛みがもっとも強い時期です。動かしたときはもちろん、安静にしていても痛みを感じることがあります。
- 拘縮期・・痛みは少し落ち着いてきますが、関節が硬くなり、可動域(腕が動く範囲)が著しく制限される時期です。
- 回復期・・徐々に関節の硬さが取れ、腕が動かせるようになってくる時期です。
このように、時期によって症状が異なるため、自分の今の状態がどの段階にあるのかを正しく把握することが大切です。無理に動かして良い時期と、安静が必要な時期を間違えると、かえって症状を長引かせてしまう可能性があるからです。
肩関節周囲炎の原因について
肩関節周囲炎の明確な原因は、実は現代医学でも完全には解明されていません。しかし、一般的には加齢に伴って肩関節を構成する組織に変性が生じることが、大きな原因となる要素(リスク因子)と考えられています。
肩関節は、人間の体の中で最も大きく動く関節の一つです。その構造を支えるために、骨だけでなく「腱板(けんばん)」というインナーマッスルや、関節を包む「関節包」という袋のような組織が重要な役割を果たしています。年齢を重ねるにつれて、これらの組織の柔軟性が失われ、血行が悪くなることで、微細な損傷や炎症が起きやすくなります。
日常生活での姿勢や動作も影響します。例えば、長時間のデスクワークで「猫背」の状態が続くと、肩甲骨の動きが悪くなり、肩関節に過度な負担がかかります。また、運動不足によって肩周りの筋肉が衰えたり、逆にスポーツなどで特定の動作を繰り返したりすることも、炎症の引き金になることがあります。
さらに、糖尿病などの持病がある方は、そうでない方に比べて肩関節周囲炎を発症しやすく、症状が重症化したり両肩に発症したりする傾向があることが臨床の経験からも分かっています。当院では、単に肩だけを見るのではなく、患者さんの全身状態や生活背景を丁寧にお伺いすることで、痛みの根本にある原因を探ります。
肩関節周囲炎の病気の種類について
肩関節周囲炎という言葉は、実は肩の周りに起こる炎症の総称として使われることが多いです。診察の結果、より詳細な病名がつくこともあります。主な種類には以下のものがあります。
1.狭義の五十肩(凍結肩)
特に関節包が厚くなり、関節が袋ごと縮んでしまった状態を指します。文字通り、肩が凍りついたように動かなくなるのが特徴です。
2.肩峰下滑液包炎
肩の骨と筋肉の間にある「滑液包(かつえきほう)」という、クッションの役割を果たす袋に炎症が起きる状態です。腕を横に上げていく途中で強い痛みが出ることが多いです。
3.上腕二頭筋長頭腱炎
力こぶの筋肉(上腕二頭筋)の筋が、肩の付け根の部分で擦れて炎症を起こすものです。肩の前側に痛みを感じるのが一般的です。
4.石灰沈着性腱板炎
腱板の中に石灰(カルシウムの沈着物)がたまり、突然の激痛を引き起こす疾患です。これは肩関節周囲炎とは区別されることもありますが、似たような症状を呈するため、レントゲン検査等で否定(その病気ではないと判断すること)する必要があります。
ささき整形外科リハビリクリニックでは、これらの疾患を鑑別するために、丁寧な触診に加え、超音波検査(エコー)やレントゲン、必要に応じて提携病院でのMRI検査などを活用し、適切な診断を下します。
肩関節周囲炎の治療法について
当院での肩関節周囲炎の治療は、痛みを抑えることと、動かなくなった関節の機能を回復させることの二段構えで行います。
保存的療法
まずは手術を行わない治療から開始します。
- 薬物療法・・痛みが強い時期には、消炎鎮痛剤の内服や湿布を使用します。
- 注射療法・・関節内に炎症を抑えるステロイド薬や、潤滑油の役割を果たすヒアルロン酸を注入します。また、エコーを用いて神経の周りに薬液を注入し、癒着を剥がす「ハイドロリリース」という処置も当院では積極的に行っています。
- リハビリテーション・・理学療法士による運動療法です。硬くなった筋肉をほぐし、正しい肩の動かし方を再獲得します。当院では20年以上の経験に基づいたプログラムを提供しています。
日常生活のアドバイス
治療と同じくらい大切なのが、ご自宅での過ごし方です。痛みが強い時期は重いものを持つのを控え、寝るときはクッションを脇に挟むなどして肩への負担を減らす工夫が必要です。お風呂でゆっくり温めることが効果的な時期もあります。
料金について
肩関節周囲炎の治療にかかる費用の目安です。保険診療の場合は、負担割合(1割から3割)によって異なります。
| 項目 | 内容の目安 | 費用(3割負担の場合) |
|---|---|---|
| 初診料・検査料 | 診察、レントゲン、エコー検査など | 約3,000円 - 5,000円 |
| 再診・リハビリ | 理学療法士によるマンツーマン指導 | 約1,000円 - 2,000円 |
| 注射療法 | ヒアルロン酸注射など(手技料含む) | 約1,000円 - 2,000円 |
※上記はあくまで目安であり、実施する検査内容や処置によって変動します。
肩関節周囲炎についてのよくある質問
Q1. 痛みがあるときは冷やしたほうが良いですか?温めたほうが良いですか?
A1. 症状によりますが、突然の激痛で熱を持っている場合は一時的に冷やすことが有効です。しかし、四十肩・五十肩の多くは、温めて血行を良くしたほうが痛みが和らぎ、動きも良くなります。お風呂上がりにゆっくりストレッチをするのが理想的です。
Q2. 放置していてもいつかは治りますか?
A2. 確かに「いつの間にか治った」という方もいらっしゃいますが、放置すると関節の袋が硬く癒着してしまい、数年単位で痛みが続いたり、完全に腕が上がらなくなったりするリスクがあります。後遺症を残さないためにも、早期の受診をお勧めします。
Q3. リハビリはどのくらいの頻度で通えば良いですか?
A3. 患者さんの状態によりますが、最初は週に1 - 2回程度通っていただき、正しいストレッチの方法を覚えていただくのが効果的です。徐々に通院間隔を空けながら、自宅でのセルフケアを主体に移行していきます。
Q4. 夜痛くて眠れないときはどうすれば良いですか?
A4. 仰向けで寝る際、痛い方の肘の下にバスタオルやクッションを置いて、肩が後ろに落ちないようにすると痛みが軽減することが多いです。それでも眠れないほどの痛みがある場合は、早めにお薬や注射での治療を検討しましょう。
院長より
肩の痛みは、単に「不便」であるだけでなく、夜の安眠を妨げ、心身ともに大きなストレスを与えるものです。「年齢のせいだから仕方ない」と諦めてしまう患者さんも少なくありませんが、適切な治療とリハビリテーションを行えば、多くの場合で症状の改善が期待できます。
私たちが大切にしているのは、20年以上の臨床経験に基づいた「正確な評価」と、それに基づく「納得のいく説明」です。例えば、単なる五十肩だと思っていたら、実は腱板が切れていた(腱板断裂)というケースも少なくありません。
当クリニックには、経験豊富な理学療法士が在籍しており、皆さんの「腕を上げたい」「趣味のスポーツを再開したい」という目標に伴走します。肩に違和感を覚えたら、まずは気軽にご相談ください。私たちが、あなたの健康な毎日を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。
