メニュー

肩峰下インピンジメント症候群

肩峰下インピンジメント症候群という言葉を初めて耳にする方も多いかもしれませんが、実は「腕を上げると肩が痛む」というお悩みの中で非常に多く見られる状態です。肩を動かす際に、肩の屋根にあたる骨(肩峰)と腕の骨(上腕骨)の間で、腱板という筋肉の筋やクッションの役割をする滑液包が挟み込まれてしまい、痛みや引っかかりが生じるのがこの病気の特徴です。私たち「ささき整形外科リハビリクリニック」では、芦屋市にお住まいの方々やスポーツに励む学生さん、そして長年肩の違和感を抱えてこられた高齢の方まで、一人ひとりの肩の状態を詳しく拝見しています。その経験を活かし、単に痛みを取るだけでなく、なぜ痛みが出たのかという根本的な原因にアプローチします。芦屋市海洋町の落ち着いた環境の中で、皆さんが再びスムーズに肩を動かし、日常生活やスポーツに復帰できるよう全力でサポートいたします。

肩峰下インピンジメント症候群の症状について

肩峰下インピンジメント症候群の最も代表的な症状は、腕を特定の角度まで上げた時に生じる鋭い痛みです。これを専門的にはペインフルアーク(痛みの弧)と呼び、具体的には腕を横から上げていった際、60度から120度くらいの間で強い痛みを感じることが多いのが特徴です。その角度を超えると不思議と痛みが軽くなることもありますが、動かすたびに「ゴリゴリ」という不快な音がしたり、何かが引っかかっているような感覚を覚えたりすることもあります。

また、日常生活の何気ない動作で支障が出ることが多いのもこの病気の困ったところです。例えば、背中のファスナーを上げる動作や、エプロンの紐を結ぶ動作、あるいは高いところにある荷物を取ろうとした瞬間に、電気が走るような痛みが肩に響きます。症状が進行してくると、日中だけでなく夜寝ている時にも痛みが出る夜間痛に悩まされるようになります。痛い方の肩を下にして寝ることが難しくなり、寝返りを打つたびに目が覚めてしまうというお声もよく伺います。

さらに、肩を動かさないでいると、周囲の筋肉が徐々に硬くなってしまい、肩の動く範囲(可動域)が狭くなっていくこともあります。最初は「ただの肩こりかな」とか「四十肩・五十肩だろう」と思って放置してしまう方もいらっしゃいますが、症状が長引くと腕の力が入りにくくなるなど、日常生活の質を大きく下げてしまうため注意が必要です。私たちは、患者さんがどの動作で、どのような痛みを感じているのかを丁寧に聞き取り、症状の段階に合わせた適切なケアをご提案しています。

肩峰下インピンジメント症候群の原因について

この疾患の主な原因は、肩の関節内にある「通り道」が狭くなってしまうことにあります。肩の関節の上には、肩峰(けんぽう)という骨の屋根があり、その下を腱板(けんばん)という大切な筋肉の筋や、摩擦を減らすためのクッションである肩峰下滑液包が通っています。腕を上げ下げする際に、この屋根と腕の骨の間で組織が繰り返し衝突したり、挟み込まれたりすることがインピンジメント(衝突)の正体です。

では、なぜ通り道が狭くなってしまうのでしょうか。原因の一つは、加齢に伴う骨の変形です。年齢を重ねると肩峰の先端に「骨棘(こつきょく)」と呼ばれる骨のトゲができることがあり、これが物理的に通り道を狭くして腱板を刺激します。もう一つの大きな原因は、肩周辺の筋力バランスの崩れです。特に肩のインナーマッスルが弱くなると、腕の骨を正しい位置で保持できなくなり、腕を上げた時に骨が上方にズレやすくなって、衝突が起きやすくなります。

また、姿勢の問題も密接に関係しています。いわゆる「巻き肩」や「猫背」の姿勢になると、肩甲骨が正しい位置からズレてしまい、結果として肩峰の下のスペースが狭くなります。デスクワークが長い方や、スマートフォンの操作で前かがみの姿勢が多い方は、知らず知らずのうちにインピンジメントを起こしやすい状態を作っているかもしれません。さらに、野球の投球動作やテニスのサーブ、水泳のように腕を大きく振り上げる動作を繰り返すスポーツ選手の場合、過度な負担が積み重なることが原因となります。当院では、芦屋という土地柄、テニスやゴルフを楽しまれる方も多く来院されますが、こうしたスポーツ特有の動作解析も含めて原因を探っていきます。

肩峰下インピンジメント症候群の病気の種類について

肩峰下インピンジメント症候群は、その原因や状態によっていくつかのパターンに分類されることがあります。大きく分けると、骨の形などの構造自体に問題があるものと、肩の動かし方などの機能的な問題によるものに分けられます。これらを正しく見極めることが、適切な治療計画を立てるための第一歩となります。

  • 骨の形状によるもの(構造的インピンジメント)・・生まれつき肩峰が下向きに曲がっていたり、加齢によって骨のトゲができたりすることで、物理的にスペースが狭くなっている状態です。
  • 筋肉や動きの問題によるもの(機能的インピンジメント)・・骨の形には異常がなくても、インナーマッスルの筋力低下や肩甲骨の動きが悪いために、腕を上げた時に骨がぶつかってしまう状態を指します。
  • 滑液包炎を伴うもの・・衝突を繰り返すことで、クッションである肩峰下滑液包に炎症が起き、水が溜まったり腫れたりしてさらにスペースを圧迫するケースです。
  • 腱板の部分断裂を伴うもの・・長期間の衝突により、腱板が擦り切れて一部が切れてしまっている状態です。完全に切れる「腱板断裂」の一歩手前の状態と言えます。

このように一口にインピンジメント症候群と言っても、その背景は様々です。単なる一時的な炎症であれば安静と投薬で改善することもありますが、機能的な問題が根底にある場合は、リハビリテーションで動きを改善しない限り再発を繰り返してしまいます。私たちは、MRI検査や超音波(エコー)検査を駆使して、関節内部で何が起きているのかを正確に評価します。特にエコー検査は、実際に肩を動かしながらリアルタイムで衝突の様子を確認できるため、非常に有用なツールとなります。

肩峰下インピンジメント症候群の治療法について

当院における肩峰下インピンジメント症候群の治療は、まず「痛みの改善」と「原因へのアプローチ」を同時に進める保存療法を基本としています。手術を行わずに治すことを第一に考え、患者さんのライフスタイルに合わせたメニューを組み立てます。治療の柱となるのは、お薬や注射による消炎鎮痛治療と、理学療法士によるリハビリテーションです。

まず、強い痛みがある時期には、炎症を抑えることが優先されます。飲み薬や貼り薬のほかに、必要に応じて肩峰下のスペースにステロイドやヒアルロン酸を直接注射することで、劇的に痛みが和らぐことがあります。痛みが落ち着いてきたら、いよいよ根本治療であるリハビリテーションの出番です。当院のリ学療法士は、肩甲骨の動きを正常化させるストレッチや、腕の骨を正しい位置に引き止めるためのインナーマッスルトレーニングを指導します。当院のリハビリ室では、専門の機器も使いながら、患者さんが自宅でも継続できるプログラムをご提案しています。

これは、患者さんご自身の血液や細胞の力を利用して、痛んだ組織の修復を促す治療法です。特に、従来の保存療法ではなかなか改善しないものの、手術は避けたいという方にとって、第3の治療として期待されています。私たちは厚生労働省の認定施設として、厳格な管理のもとこの治療を行っております。もし、これらの保存療法を数ヶ月続けても症状が改善せず、日常生活に大きな支障がある場合には、肩峰の下を削って通り道を広げる手術(肩関節鏡視下除圧術)を検討することもあります。その際は、信頼できる提携病院をスムーズにご紹介し、術後のリハビリは再び当院でしっかりとサポートできる体制を整えています。

料金について

肩峰下インピンジメント症候群の診断や一般的な治療(診察、検査、投薬、リハビリテーション、保険適用の注射など)は、健康保険が適用されます。以下に主な自費診療の料金の目安を記載いたします。詳細については診察時に丁寧にご説明いたします。

治療内容 費用の目安(税込) 備考
PRP療法 約150,000円 - 200,000円 ご自身の血液から血小板を濃縮して注入します。
PFC-FD療法 約160,000円 - 180,000円 PRPをさらに活性化させ、成長因子を濃縮・フリーズドライ化したものです。
体外衝撃波治療 約15,000円 - 30,000円 (自由診療の場合)高出力の音波を患部に照射します。

※初診時にはまず保険診療内での診察・検査を行い、最適な治療法をご提案いたします。

肩峰下インピンジメント症候群についてのよくある質問

Q1. 四十肩や五十肩とは違うのでしょうか?

A1. 広い意味では肩の痛みとして共通していますが、メカニズムが少し異なります。四十肩(肩関節周囲炎)は関節を包む袋全体が炎症を起こして固まる病気ですが、インピンジメント症候群は「特定の場所での衝突」が主な原因です。ただし、インピンジメントを放置して肩を動かさないでいると、結果として四十肩のように固まってしまうこともあるため、早めの診断が大切です。

Q2. スポーツはいつから再開できますか?

A2. 症状の強さやスポーツの種類にもよりますが、日常生活で痛みが出なくなってから、徐々に競技特性に合わせたリハビリへ移行します。無理に再開すると腱板をさらに痛めてしまう「予後(よご)」の悪化を招く恐れがあるため、理学療法士と相談しながら段階的に復帰を目指すのが一番の近道です。当院では早期復帰を目指したスポーツリハビリにも対応しています。

Q3. 手術をしないと治らないのでしょうか?

A3. 多くの患者さんは、リハビリや注射などの保存療法で改善が見込めます。特に、筋力バランスを整えることで衝突自体を回避できるようになれば、手術なしでも快適な生活に戻れる可能性は十分にあります。手術が必要と判断されるのは、骨の変形が著しい場合や、腱板が完全に断裂してしまっている場合などに限られます。

Q4. 芦屋市外からも受診は可能ですか?

A4. もちろんです。芦屋市内だけでなく、西宮市や神戸市など近隣の地域からも多くの患者さんに来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車でお越しいただくことも可能です。

院長より

肩の痛みは、ただ我慢していれば治るというものではありません。むしろ「痛いから動かさない」ことで、さらに肩の動きが悪くなり、治りにくくなってしまうという悪循環に陥ることが多いのです。私は20年以上にわたる整形外科医としてのキャリアの中で、数多くの肩関節疾患に向き合ってきました。肩峰下インピンジメント症候群の治療において私たちが大切にしているのは、「なぜそこに痛みが集中してしまったのか」という謎解きを患者さんと一緒に行うことです。姿勢の癖、筋力の低下、あるいはスポーツフォームの問題など、原因は人それぞれです。当院には、肩の構造を熟知したプロフェッショナルな理学療法士が在籍しており、皆さんの「治りたい」という気持ちに寄り添ったリハビリを提供しています。芦屋市海洋町のこのクリニックが、皆さんの肩の悩みを取り除き、再び笑顔で腕を振れる場所になれば幸いです。少しでも肩に違和感があれば、どうぞお気軽にご相談ください。丁寧な診察と的確な診断をもって、私たちが全力でサポートいたします。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME