肘の外側内側の痛み
肘の外側や内側に痛みを感じると、日常生活の何気ない動作がとても辛くなります。例えば、買い物袋を持ち上げたとき、雑巾を絞ったとき、あるいはパソコンのキーボードを打っているときなど、鋭い痛みが走って困っている方も多いのではないでしょうか。芦屋市海洋町にある「ささき整形外科リハビリクリニック」では、こうした肘の痛みに悩む多くの患者さんを日々診療しています。20年以上の臨床経験の中で痛感したのは、肘の痛みは単なる使いすぎだけではなく、加齢による組織の変化や、体全体の使い方のバランスが崩れていることが原因であるケースが非常に多いという事実です。当院では、整形外科専門医としての確かな診断に基づき、レントゲンや超音波(エコー)を用いた詳細な検査を行います。
肘の外側内側の痛みの原因
肘の痛みが出る場所によって、その原因は大きく異なります。肘の外側が痛む場合と、内側が痛む場合では、負担がかかっている筋肉や腱の種類が違うためです。ここでは、なぜ痛みが出てしまうのか、その主なきっかけについて詳しくお話しします。
繰り返しの動作によるオーバーユース
肘の痛みの最も一般的な理由は、手首や指を動かす筋肉の使いすぎです。肘には手首を動かすための筋肉がたくさん付着しており、特に手首を上に反らせる動作や、逆に手のひら側に曲げる動作を繰り返すと、肘の付け根にある腱に微小な断裂が起こります。これが炎症を引き起こし、痛みを感じるようになります。スポーツ選手だけでなく、重いものを持つ仕事や、調理で重いフライパンを振る動作、育児でのお子さんの抱っこなどが原因となることも多いです。
加齢による組織の変化
年齢を重ねるにつれて、私たちの体にある腱や軟骨は少しずつ柔軟性を失っていきます。これを変性(へんせい)と呼びますが、柔軟性が低下した状態で以前と同じような負荷をかけると、組織が耐えきれずに痛みを生じやすくなります。40代から50代以降の方に肘の痛みが多く見られるのは、この組織の変化が背景にあるからです。また、長年の負担が蓄積して、肘の関節自体が変形してしまうことも痛みを引き起こすきっかけとなります。
スマートフォンの操作やデスクワーク
現代において見逃せないのが、長時間のデスクワークやスマートフォンの操作です。同じ姿勢でマウスを動かし続けたり、肘を曲げた状態で指先だけを細かく動かし続けたりすると、肘周囲の筋肉が常に緊張した状態になります。この持続的なストレスが、肘の外側や内側にある骨の突出した部分(上顆:じょうか)に負担をかけ続け、慢性的な痛みへとつながっていきます。
肘の外側内側の痛みによって引き起こされる病気
「肘が痛い」という症状の裏には、医学的に名前のついたいくつかの代表的な疾患が隠れています。痛む場所や動作を確認することで、どの病気であるかを推測することが可能です。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
肘の外側が痛む場合、その多くはテニス肘と呼ばれます。テニスをしていない方でも発症するため、正式名称は「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」と言います。手首を上に反らせる筋肉の付け根に炎症が起きている状態で、物をつかんで持ち上げる、ドアノブを回す、タオルを絞るといった動作で痛みが強くなるのが特徴です。
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
肘の内側が痛む場合は、ゴルフ肘の可能性が高いです。正式には「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)」と呼び、手首を手のひら側に曲げる筋肉の付け根が痛みます。ゴルフのスイングだけでなく、野球の投球動作や、力仕事で重いものを抱える動作などで肘の内側に強い負荷がかかると発症します。
変形性肘関節症
長年の酷使や骨折などの怪我をきっかけに、肘の軟骨がすり減り、骨が変形してしまう病気です。初期は動かしたときの痛みだけですが、進行すると肘が完全に伸びなくなったり、逆に深く曲げられなくなったりといった可動域の制限が出てきます。また、変形した骨が神経を圧迫して、指先にしびれを感じるようになることもあります。
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘の内側を通る「尺骨神経(しゃっこつしんけい)」が、圧迫されたり引き伸ばされたりすることで、小指や薬指にしびれや痛みが出る疾患です。肘を深く曲げた状態が続くと症状が悪化しやすく、ひどくなると手の筋肉が痩せてしまい、箸を使ったりボタンを留めたりといった細かい作業が難しくなることもあります。これは放置すると回復に時間がかかるため、注意が必要です。
肘の外側内側の痛みの処置や治療法
当院では、患者さんの痛みの強さや生活背景を考慮しながら、段階的なアプローチで治療を進めていきます。まずは痛みを和らげ、次に再発しないための体作りを行っていくことが基本です。
保存療法(安静とリハビリテーション)
急性期の激しい痛みに対しては、まずは患部を安静に保つことが先決です。湿布や塗り薬といった外用薬、必要に応じて消炎鎮痛剤の処方を行い、炎症を鎮めます。当院では理学療法士によるリハビリテーションに力を入れており、硬くなった筋肉のストレッチや、肘に負担をかけないための手首・肩の動かし方の指導を行います。私たちは、痛みの出ている肘だけを診るのではなく、全身のバランスを整えることで根本的な改善を目指します。
ブロック注射と物理療法
痛みが強く日常生活に支障が出ている場合には、炎症を抑えるための注射(ステロイドや局部麻酔薬)を検討します。エコーを用いて正確な位置を確認しながら行うため、安全に配慮した処置が可能です。また、電気治療や温熱治療などの物理療法を行い、血流を改善させることで組織の修復を促します。これらの治療を組み合わせることで、徐々に痛みの出にくい状態を作っていきます。
装具療法
テニス肘などでは、「エルボーバンド」と呼ばれる装具を装着することが有効です。筋肉の付け根にかかる負担をバンドによって軽減し、腱の炎症を鎮める効果があります。装着位置や締め具合が重要ですので、当院のスタッフが適切な使用方法を丁寧にお伝えします。
料金について
詳細な費用については、診察時に担当医またはスタッフまでお尋ねください。
| 治療メニュー | 内容 | 費用の目安(税込) |
|---|---|---|
| PRP療法(片肘) | ご自身の血液を利用した組織修復治療 | 約150,000円 |
| APS療法(片肘) | 次世代型PRP。より抗炎症作用を高めたもの | 約330,000円 |
| 体外衝撃波治療 | 音波を患部に照射し、除痛を促す治療 | 保険適用外の場合 約5,500円/回 |
※上記は自由診療の概算であり、事前の診察や検査の結果によって前後する場合がございます。
肘の外側内側の痛みについてのよくある質問
Q1.肘が痛いときは冷やしたほうが良いですか、温めたほうが良いですか?
A1.激しい痛みが出た直後や、患部が熱を持って腫れている場合は、アイシングで冷やして炎症を抑えることが優先されます。一方で、数週間以上続いている慢性的な痛みや、重だるいような鈍痛の場合は、お風呂などで温めて血流を良くすることで痛みが和らぐことが多いです。判断が難しい場合は、無理に冷やし続けたり温めたりせず、当院へご相談ください。
Q2.仕事でどうしても重いものを持たなければなりませんが、治りますか?
A2.完全に肘を休めるのが難しい環境の方でも、サポーターの活用や、物の持ち方の工夫、前腕の筋肉のストレッチを習慣化することで、症状を大幅に緩和させることが期待できます。リハビリでは、その方の職種や動作に合わせた具体的なアドバイスを行いますので、諦めずに治療に取り組んでいきましょう。
Q3.骨粗鬆症と肘の痛みは関係がありますか?
A3.直接的な原因ではありませんが、骨の密度が低下していると、肘周囲の細かな骨折(不全骨折)に気づかないまま痛みが出ている可能性も否定できません。当院では全身型の精度の高い骨密度測定器を導入しています。特に閉経後の女性や高齢の方は、肘の痛みとともに骨の健康状態を確認しておくことをおすすめしています。
院長より
肘の外側や内側に痛みがあると、趣味のスポーツを楽しめなくなるだけでなく、ペットボトルのキャップを開けるといった日常の小さな幸せまでもが奪われてしまいます。私は整形外科専門医として20年以上のキャリアの中で、多くの患者さんが「この痛みとは一生付き合っていくしかない」と諦めかけている姿を見てきました。しかし、医療は進化しています。私たちがささき整形外科リハビリクリニックを開院したのは、芦屋市にお住まいの皆さんに、そうした最先端の医療の恩恵を身近に受けていただきたいと考えたからです。
肘の痛みは、早めに対処すればするほど回復もスムーズになります。「これくらいで受診してもいいのかな」と迷わず、ぜひ一度当院へお越しください。皆さんの肘の痛みが和らぎ、生き生きとした毎日を取り戻せるよう、私たちが全力で寄り添います。
