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正座ができない

「最近、膝が痛くて正座ができない」「法事や習い事で正座をしなければならないのに、膝が曲がりきらなくて困っている」といったお悩みで、私たちのクリニックを訪れる方は少なくありません。正座ができないという症状は、単に膝が硬いというだけでなく、膝の関節内で何らかのトラブルが起きているサインでもあります。地域の皆さんがいつまでもご自身の足で歩き、日本の文化である正座も諦めなくて済むような生活をサポートしたいと考えています。

正座ができないの原因

正座ができない状態、つまり膝を深く曲げることができなくなる原因は、一つではありません。膝関節は非常に複雑な構造をしており、骨、軟骨、靭帯、半月板、そしてそれらを取り囲む筋肉や関節包(かんせつほう - 関節を包む袋)が絶妙なバランスで動くことで、深い屈曲が可能になります。このバランスが崩れると、膝に「つっぱり感」や「痛み」が生じ、正座が困難になります。

まず臨床でよく拝見する原因として、関節水腫(かんせつすいしゅ)が挙げられます。これは俗に「膝に水がたまる」と呼ばれる状態で、関節内で炎症が起きることで関節液が過剰に分泌されます。膝の中に水がたまると、関節内の圧力が上がり、物理的に膝を深く曲げることが難しくなります。無理に曲げようとすると、膝の前面や裏側に強い圧迫感や痛みを感じるのが特徴です。

次に、軟骨の摩耗や変形が原因となる場合です。加齢や長年の負荷によって膝の軟骨がすり減ってくると、関節の隙間が狭くなり、骨同士がぶつかったり、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨のトゲができたりします。これにより関節の形が変わり、スムーズな回転と滑り運動ができなくなるため、正座のような深い曲げ動作が制限されてしまいます。

また、半月板損傷も重要な原因の一つです。半月板は膝のクッションの役割を果たしていますが、これが断裂したり、位置がずれたりすると、関節の中に「挟まり込み」が生じます。この挟まり込みがブロックとなって、膝がある一定の角度から先に進まなくなる「ロッキング」という現象が起きることもあります。

さらに、膝周囲の筋肉や軟部組織の柔軟性低下も見逃せません。大腿四頭筋(だいたいしとうきん - 太ももの前の筋肉)が硬くなると膝を曲げる際の抵抗になりますし、膝の裏側の組織が縮んでしまうことでも、曲げにくさが生じます。これら複数の要因が絡み合っていることも多いため、専門的な視点での切り分けが必要です。

正座ができないによって引き起こされる病気

正座ができないという症状の背後には、いくつかの代表的な疾患が隠れていることがあります。これらを放置すると、症状が進行して日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。

変形性膝関節症

中高年の方で正座ができなくなる最も一般的な病気が、変形性膝関節症です。これは、クッションである軟骨が少しずつすり減り、関節内に炎症が起きたり骨が変形したりする病気です。初期には「立ち上がり時」や「歩き出し」の痛みとして現れますが、進行すると関節の動きが制限される拘縮(こうしゅく - 関節が固まること)が起こり、正座ができなくなります。

半月板損傷

スポーツをされている方だけでなく、ご高齢の方でも日常生活のちょっとした動作で半月板を痛めることがあります。半月板が傷つくと、膝の中で引っかかりが生じ、急に膝が動かなくなることがあります。半月板の損傷を放置すると、将来的に変形性膝関節症へ移行する可能性が高くなるため、早期の診断が極めて重要です。

関節リウマチ

膝だけでなく、手足の指など複数の関節に痛みや腫れがある場合は、関節リウマチの可能性も考慮する必要があります。自己免疫の異常によって関節の滑膜(かつまく)に炎症が起き、関節を破壊してしまう病気です。当院では日本整形外科学会認定のリウマチ医としての専門知識を活かし、こうした全身疾患の可能性もしっかりと見極めます。

特発性大腿骨顆部壊死

比較的急に強い痛みが出て、正座ができなくなった場合に疑われるのが大腿骨顆部壊死(だいたいこつかぶえし)です。大腿骨の膝側の骨の一部に血流障害が起き、骨がもろくなってつぶれてしまう病気です。早期に発見できれば、負担を減らす治療などで進行を抑えられる可能性があります。

正座ができないの処置や治療法

ささき整形外科リハビリクリニックでは、まず徹底したカウンセリングと検査を行います。レントゲン検査はもちろんのこと、必要に応じて超音波(エコー)検査を用いて、関節内の水のたまり具合や軟部組織の状態をリアルタイムで確認します。その上で、以下のような治療を組み合わせて、正座ができる状態への回復、あるいは痛みのない生活を目指します。

理学療法士によるリハビリテーション

当院が最も力を入れている治療の一つが、理学療法士による個別リハビリです。膝が曲がらない原因が、筋肉の硬さや関節の遊び(ゆとり)の減少にある場合、専門的な手技やストレッチでこれらを改善していきます。ただ膝を動かすだけでなく、股関節や足首の動き、さらには歩き方の癖などを修正することで、膝への負担を根本から減らしていきます。

薬物療法と関節内注射

強い炎症や痛みがある場合には、消炎鎮痛剤の処方や、ヒアルロン酸の関節内注射を行います。ヒアルロン酸は関節の滑りを良くし、炎症を抑える効果が期待できます。当院では痛みに配慮し、なるべく負担の少ない手法で注射を行います。

骨粗鬆症の治療

膝の痛みは骨の脆さと関連していることもあります。当院では全身型の骨密度測定器を用い、正確な骨密度の評価を行います。骨を丈夫に保つことは、膝関節の変形を遅らせ、将来的な骨折のリスクを減らすことにも繋がります。

料金について

保険診療分については、厚生労働省が定める診療報酬に基づいた自己負担額となります。

項目 内容 費用(税込目安)
PRP-FD療法 自身の血液由来の成長因子を濃縮して注入 165,000円
APS療法 次世代PRP。より抗炎症作用を高めたもの 330,000円
骨密度測定 DEXA法による全身型骨密度検査 保険診療に準ずる

※自由診療の費用は、事前の診察や検査の結果によって変動する場合がありますので、詳細は診察時にご説明いたします。

正座ができないについてのよくある質問

Q1. 昔から体が硬いのですが、リハビリで正座ができるようになりますか?

A1. 単なる筋肉の硬さであれば、適切なストレッチや運動療法で改善する可能性が十分にあります。ただし、関節の変形が著しい場合や骨同士が衝突している場合は、無理に曲げることが関節を傷める原因(リスク因子)になることもあります。まずは診察で、どこまで曲げることが可能か、医学的な目標を設定しましょう。

Q2. 膝に水がたまっていると言われましたが、抜くと癖になりますか?

A2. 膝の水を抜いたからといって、それが原因で癖になることはありません。炎症が続いているから、再び水がたまるのです。水を抜くことで関節内の圧力が下がり、痛みが和らぎ、膝が曲げやすくなるメリットがあります。当院では「なぜ水がたまるのか」という根本的な原因を究明し、水がたまらない状態(寛解 - かんかい)を目指します。

Q3. 正座を我慢して続けていれば、いつかできるようになりますか?

A3. 強い痛みを伴うのに無理に正座を続けることは、おすすめできません。無理な負荷は軟骨の摩耗を早め、半月板を痛める恐れがあります。まずは痛みの原因を取り除き、安全な方法で関節の可動域を広げていくことが、遠回りのようでいて一番の近道です。

院長より

膝の痛みで「正座ができない」というお悩みは、日本の生活において非常にストレスフルなものです。法事やお葬式、茶道や華道などの趣味、あるいは和食店での会食など、正座が必要な場面は意外と多いものです。その際、周囲に気を使って無理をしてしまい、後で膝が腫れて動けなくなったという患者さんのお話もよく伺います。

私たち、ささき整形外科リハビリクリニックでは、膝関節疾患の専門的加療に強いこだわりを持っています。

芦屋市の皆さんに寄り添い、「芦屋駅の近くに相談できる膝の専門医がいて良かった」と思っていただけるよう、スタッフ一同、誠実な診療を心がけております。正座がしにくいと感じたら、それは膝からのSOSかもしれません。予後(よご - 病気の経過の見通し)を良くするためには、早めの対策が何よりの鍵となります。

診察の結果、もし手術が必要だと判断される場合でも、これまでのネットワークを活かし、適切な医療機関をご紹介することも可能です。どうぞ、肩の力を抜いて、お気軽に私たちのクリニックの扉を叩いてください。膝の悩みから解放され、笑顔で歩き出せるよう全力でサポートいたします。

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