手のしびれ
「朝起きると手がジリジリとしびれている」「スマートフォンの操作中に指先が感覚が鈍くなる」「重い荷物を持った後に腕までしびれが広がる」といった経験はありませんか。手のしびれは、日常生活のなかで非常に多くの方が直面する症状の一つです。しかし、一口に手のしびれと言っても、その原因は首の骨の変形から手首の神経の圧迫、さらには全身性の病気まで多岐にわたります。私たち「ささき整形外科リハビリクリニック」では、芦屋市海洋町の地域に根ざした整形外科として、20年以上の臨床経験を持つ日本整形外科学会専門医が一人ひとりの患者さんの症状を詳しく伺い、しびれの「正体」を突き止めます。
手のしびれの原因
手のしびれが起こるメカニズムは、主に「神経」と「血流」のトラブルに分けられます。神経は脳から背骨を通り、肩、肘、手首を経て指先まで張り巡らされています。この通り道のどこかで神経が圧迫されたり、炎症が起きたりすると、脳へ伝わる信号が乱れて「しびれ」として感じられるようになります。
首からくる神経の圧迫
手のしびれの原因として最も頻度が高いものの一つが、首の骨(頸椎)のトラブルです。加齢や長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用による不良姿勢などが原因で、頸椎の間にあるクッションの役割を果たす「椎間板」が飛び出したり、骨そのものが変形したりすることがあります。これにより、腕や手に向かう神経の根元が圧迫され、しびれが生じます。この場合、しびれだけでなく、首から肩にかけての痛みや、腕の力が入らなくなるといった症状を伴うことが少なくありません。
末梢神経の絞扼(こうやく)
末梢神経とは、脊髄から枝分かれして手足の先まで伸びている神経のことです。手首や肘、肩など、神経が狭いトンネルを通り抜ける場所で、周囲の組織によって神経が締め付けられる(絞扼される)ことでしびれが発生します。特に女性に多いのが手首での圧迫であり、仕事や家事で手を酷使することが引き金となるケースが多く見られます。
全身疾患や血流障害
整形外科的な問題以外にも、糖尿病による神経障害や、ビタミン不足、さらには更年期障害に伴うホルモンバランスの変化が手のしびれを引き起こすこともあります。また、血管が圧迫されて指先への血流が悪くなることでしびれを感じるパターンもあり、これらは単なる疲れと放置せず、専門的な視点からの見極めが極めて重要です。当院では、患者さんのライフスタイルや過去の病歴も丁寧にお伺いし、原因を一つずつ紐解いていきます。
手のしびれによって引き起こされる病気
手のしびれは単なる一時的な現象ではなく、背後に具体的な疾患が隠れているサインであることがほとんどです。代表的な病気をいくつかご紹介します。
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
手首にある「手根管」というトンネル内で正中神経が圧迫される病気です。初期には人差し指や中指にしびれが出やすく、次第に親指や薬指の半分にも広がります。夜間や明け方にしびれが強くなるのが特徴で、手を振ると少し楽になることがあります。進行すると親指の付け根の筋肉が痩せてしまい、ボタンがけや小銭を掴むといった細かい動作がしにくくなります。
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘の内側を通る尺骨神経が圧迫されることで起こります。小指と薬指の半分にしびれが出るのが典型的なパターンです。長時間肘を曲げて作業をする方や、過去に肘の骨折をしたことがある方に多く見られます。握力が低下したり指を伸ばしにくくなったりすることもあり、早めの対処が望まれます。
頸椎椎間板ヘルニア・頸椎症
首の骨の異常により、神経の根元である神経根が圧迫される疾患です。片方の腕から手にかけて、ピリピリとしたしびれや鋭い痛み走るのが特徴です。上を向く動作で症状が悪化しやすく、放置すると手の巧緻運動(細かい作業)が困難になる脊髄症へと進展するリスクもあるため注意が必要です。
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
つり革を掴む動作や、重い荷物を肩にかけたときに、首から肩にかけての血管や神経が圧迫されて起こります。なで肩の女性や、スポーツで肩を酷使する方に多く、手のしびれに加えて腕のだるさや冷感を感じることもあります。
手のしびれの処置や治療法
ささき整形外科リハビリクリニックでは、まずは詳細な問診と触診、そして必要に応じた検査を行い、原因に応じた適切な治療プランをご提案します。
保存的療法とリハビリテーション
多くの手のしびれは、手術をしない保存的療法で改善を目指すことができます。内服薬(消炎鎮痛剤、ビタミンB12製剤、神経障害性疼痛緩和薬など)で炎症や痛みを和らげつつ、当院の理学療法士による専門的なリハビリテーションを行います。ストレッチや筋力トレーニングにより、神経の通り道を広げたり、姿勢を改善したりすることで再発を予防します。芦屋市の芦屋駅からも通いやすい立地を活かし、継続的なケアを提供しています。
物理療法とブロック注射
しびれや痛みが強い場合には、血行を促進する温熱療法や、電気刺激を用いた物理療法を併用します。また、神経の周囲に炎症を抑える薬を直接注入する神経ブロック注射も有効です。当院では、エコー(超音波)を用いて神経や血管の位置をリアルタイムで確認しながら行う「エコー下筋膜リリース」やハイドロリリースも積極的に取り入れており、より安全で的確な処置を心がけています。
手のしびれについてのよくある質問
Q1. 脳の病気からくるしびれと、整形外科のしびれはどう見分けますか?
A1. 脳からのしびれの場合、片側の手足が同時にしびれる、口の周りがしびれる、ろれつが回らない、急激な頭痛がするといった症状を伴うことが多いです。一方、整形外科的なしびれは、特定の指だけがしびれる、首の動きでしびれが変わる、といった特徴があります。少しでも不安な場合は、自己判断せず受診をお勧めします。
Q2. 手がしびれるときは温めるのと冷やすのどちらが良いですか?
A2. 基本的には温めて血行を良くすることで、神経の回復を助け、筋肉のこわばりによる圧迫を和らげることが推奨されます。ただし、ぶつけたり捻ったりして急激に腫れているような場合は冷やす必要があります。慢性的なしびれであれば、お風呂などでゆっくり温めてみてください。
Q3. 手のしびれを放置するとどうなりますか?
A3. 神経の圧迫が長期間続くと、神経そのものが変性してしまい、たとえ原因を取り除いても、しびれや麻痺が残ってしまう予後不良の状態になることがあります。また、筋肉の萎縮(痩せてしまうこと)が進むと、元の握力を取り戻すのが難しくなります。早めの診断が早期の寛解への近道です。
Q4. リハビリだけでしびれは治りますか?
A4. 軽度の圧迫や姿勢に起因するしびれであれば、リハビリテーションによって劇的に改善するケースが多くあります。理学療法士が神経に負担をかけない体の使い方を指導し、自宅でのセルフケアを組み合わせることで、薬に頼りすぎない生活を目指せます。
院長より
手のしびれを抱えながらの生活は、私たちが想像する以上にストレスが溜まるものです。箸が使いにくい、新聞がめくりにくいといった小さな不自由が重なることで、次第に前向きな気持ちが削がれてしまうこともあります。私は、神戸大学医学部を卒業後、20年以上にわたって整形外科の臨床現場で数多くの患者さんと向き合ってきました。
当院、ささき整形外科リハビリクリニックでは、日本整形外科学会専門医としての知識を活かすのはもちろん、何よりも患者さんが話しやすい雰囲気づくりを大切にしています。芦屋市海洋町のこの場所で、お一人おひとりの不安に寄り添い、丁寧な説明を行うことで、「ここに来てよかった」と思っていただける医療を目指しています。手のしびれは、体が発しているSOSです。
大きな病院へ行くのは少し勇気がいるかもしれませんが、当院は地域のクリニックです。身近な「かかりつけ医」として、どうぞお気軽に相談にいらしてください。スタッフ一同、笑顔であなたをお迎えし、最短での復帰を目指して共に歩んでいきたいと考えています。
