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大腿骨頚部骨折

大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)は、足の付け根にある太ももの骨(大腿骨)が、股関節の近くで折れてしまう非常に深刻な怪我です。特に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)によって骨が弱くなっている高齢の方に多く見られ、転倒して尻もちをつくといった比較的軽い衝撃でも発生するのが特徴です。芦屋市のささき整形外科リハビリクリニックでは、この怪我が単なる骨折にとどまらず、その後の生活の質や寿命にまで関わる重要な問題であると考えています。私たちは、整形外科専門医として20年以上の臨床経験に基づき、骨折の診断だけでなく、その背景にある骨密度の低下に対する予防医療にも全力を注いでいます。当院では、精度の高い全身型骨密度測定器を導入し、骨折のリスクを早期に発見できる体制を整えています。万が一、大腿骨頚部骨折が疑われる場合には、迅速に精密検査を行い、適切な治療方針を決定します。患者さんが再び自分の足で歩ける喜びを取り戻せるよう、私たちは一人ひとりの心に寄り添った丁寧な診療をお約束します。地域の皆さんが安心して暮らせるよう、リハビリテーション専門職と連携した高度なサポートを提供いたします。

大腿骨頚部骨折の症状について

大腿骨頚部骨折が発生すると、多くの場合、足の付け根(股関節付近)に激しい痛みを感じます。この痛みは非常に強く、ほとんどの患者さんはその場から動くことができず、立ち上がることも歩くことも困難になります。臨床でよく見られるパターンとしては、転倒直後に股関節周辺に強い痛みが生じ、自力での移動ができなくなるケースが典型的です。ただし、骨の折れ方によっては、痛みが比較的軽く、なんとか歩けてしまうことも稀にあります。しかし、そのまま放置すると骨のズレが大きくなり、後から激痛に変わる危険性があるため注意が必要です。

見た目の変化としては、折れた方の足が健康な側に比べて短く見えたり、足先が外側を向いてしまったりすることがあります。これを専門的には「下肢短縮」や「外旋(がいせん)」と呼びます。また、股関節を動かそうとすると痛みが強まるため、足を持ち上げたり、寝返りを打ったりすることも難しくなります。芦屋市周辺で、もしご高齢の方が転倒した後に「足の付け根が痛くて動けない」と訴えられた場合は、無理に動かさず、すぐに整形外科を受診することが重要です。早期発見が、その後の回復の鍵を握ります。

大腿骨頚部骨折の原因について

大腿骨頚部骨折の最大の原因は、加齢に伴う骨密度の低下、すなわち骨粗鬆症です。骨がスカスカの状態になると、骨の強度が著しく低下し、本来であれば耐えられるはずの軽い衝撃でも骨折しやすくなります。実際に、家の中のわずかな段差でつまずいたり、ベッドから立ち上がろうとしてバランスを崩したりといった、日常生活の中での些細な出来事が原因となることが非常に多いのです。私たちは、これまで多くの患者さんを診てきましたが、骨折をした方の多くが、事前に適切な骨密度管理を受けていなかったことを痛感しています。

また、転倒のしやすさ自体も大きなリスク因子(骨折しやすくなる要素)となります。筋力の低下、視力の衰え、バランス感覚の鈍化、あるいは服用しているお薬の副作用によるふらつきなどが重なると、転倒のリスクが高まります。特に、太ももの付け根の骨は、構造的に体重がかかりやすく、負荷が集中しやすい場所であるため、横方向からの衝撃に弱いという側面があります。ささき整形外科リハビリクリニックでは、骨折した部位の治療だけでなく、なぜ転んでしまったのか、なぜ骨が弱くなっていたのかという根本的な原因を追求し、再発防止に向けた包括的なアプローチを大切にしています。

大腿骨頚部骨折の病気の種類について

大腿骨頚部骨折は、骨が折れた場所やズレの程度によっていくつかの種類に分類されます。この分類は、治療方針を決定する上で極めて重要です。まず、大きく分けると「関節内骨折」と「関節外骨折」があります。頚部骨折は関節の中で起こる骨折であり、血流が乏しいため骨がくっつきにくいという性質を持っています。これに対し、少し下の部分で折れる「転子部(てんしぶ)骨折」は、関節の外側であり血流が豊富なため、比較的骨がつきやすいという違いがあります。

  • ガーデン分類(Garden分類)・・骨のズレ(転位)の程度によって4つのステージに分ける分類法です。ステージ1や2はズレが少なく、ステージ3や4になるとズレが大きくなります。
  • パウエル分類(Pauwels分類)・・骨折線の角度による分類です。角度が垂直に近いほど、体重がかかったときにズレやすく、治療の難易度が上がります。

これらの分類に基づき、私たちは患者さんの年齢や活動性、骨の質を考慮して、自分の骨を活かして固定する「骨接合術」が適しているのか、あるいは金属の部品に置き換える「人工骨頭置換術」が必要なのかを慎重に判断します。それぞれの骨折のタイプには特徴があり、その後の経過にも影響を与えるため、精度の高い画像診断が欠かせません。

大腿骨頚部骨折の治療法について

大腿骨頚部骨折の治療は、原則として手術療法が選択されます。これは、長期間ベッドで安静にしていることによる「寝たきり」のリスクを避けるためです。高齢の方が歩けない期間が長くなると、筋力の低下だけでなく、肺炎や認知症の進行、褥瘡(じょくそう・・床ずれ)などの合併症を引き起こす可能性が高くなります。早期に手術を行い再び歩き始めることが、生命予後(その後の生存率や健康状態)を改善するために最も大切です。

手術の方法には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 骨接合術(こつせつごうじゅつ)・・骨のズレが少ない場合に行われます。金属のネジやプレートを使用して、折れた骨を元の位置で固定し、骨が自然にくっつくのを待ちます。
  • 人工骨頭置換術(じんこうこっとうちかんじゅつ)・・骨のズレが大きい場合や、骨がくっつく見込みが低い場合に行われます。大腿骨の頭の部分を金属やセラミック製の人工物に置き換える手術です。

手術後は、理学療法士によるリハビリテーションが極めて重要です。当院では、手術を行った連携病院と密に連絡を取り合い、退院後の継続的なリハビリをサポートします。また、手術で終わりではなく、二度目の骨折を防ぐための骨粗鬆症治療を並行して行います。最新の知見に基づき、骨を強くするお薬の処方や食事指導、運動療法を組み合わせ、患者さんの健康寿命を延ばすお手伝いをします。

大腿骨頚部骨折についてのよくある質問

Q1.手術をしないと治りませんか?

A1.基本的には手術が必要です。大腿骨頚部骨折は、関節の中で血流が悪いため、自然に骨がくっつくことはほとんどありません。手術をせずにベッドで安静にし続ける保存療法もありますが、寝たきりになるリスクや合併症の危険性が非常に高いため、全身状態が許す限りは手術が推奨されます。ただし、心臓病などの持病により手術のリスクが極めて高い場合には、医師と相談の上で慎重に決定します。

Q2.入院期間はどのくらいになりますか?

A2.手術を行う病院や患者さんの回復状況にもよりますが、一般的には3週間から1ヶ月程度の入院が必要です。手術直後からリハビリを開始し、ある程度歩けるようになった段階で退院、またはリハビリ専門の病院へ転院します。当院では、退院後の外来リハビリを受け入れており、スムーズな社会復帰をサポートしています。

Q3.認知症があっても手術は受けられますか?

A3.はい、可能です。認知症がある方のほうが、安静を守ることが難しいため、早期に手術をして動けるようにしたほうが、症状の悪化を防げる場合が多いです。ただし、リハビリの進め方や術後の管理には、ご家族やケアマネジャーさんとの緊密な連携が必要になります。

Q4.骨折を予防するためにできることはありますか?

A4.最も効果的なのは、骨粗鬆症の治療と転倒防止です。当院では全身型骨密度測定器を用いて、ご自身の骨の状態を正確に把握することをお勧めしています。適切な薬剤治療で骨を強くするとともに、リハビリテーションを通じてバランス能力や筋力を維持することが、最大の予防策となります。

院長より

大腿骨頚部骨折は、多くの高齢者やそのご家族にとって、生活が一変してしまう大きな出来事です。しかし、適切な治療と前向きなリハビリテーションによって、再び自分の足で歩き、笑顔を取り戻された患者さんを私たちは数多く診てきました。私は、神戸大学附属病院や神戸労災病院などの基幹病院で、数多くの骨折手術とリハビリに携わってきました。その経験から確信しているのは、骨折したその場所の治療と同じくらい、その後の生活を支えるリハビリと予防が大切であるということです。

芦屋市のささき整形外科リハビリクリニックでは、精密な骨密度測定と、理学療法士による質の高い運動指導に強みを持っています。私たちは単に痛みを取るだけでなく、患者さんが「これからも安心して歩ける」という自信を持てるようになることを目標としています。手術が必要な場合には、信頼できる近隣の専門病院をご紹介し、術後は当院で責任を持ってリハビリを担当させていただきます。少しでも足の付け根に違和感がある方、あるいは転倒への不安を感じている方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。私たちと一緒に、いつまでも動ける身体づくりを目指しましょう。

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