夜間痛
夜、布団に入ってリラックスしようとした瞬間に肩がズキズキと痛み出す、あるいは寝返りを打つたびに激痛で目が覚めてしまう。このような「夜間痛」は、単なる疲れや肩こりとは異なり、生活の質を著しく低下させる深刻な悩みです。私たちささき整形外科リハビリクリニックでは、芦屋市海洋町という地で、こうした夜も眠れないほどの痛みに苦しむ患者さんに寄り添い、専門的な医療を提供しています。精度の高い全身型骨密度測定器なども活用し、お一人おひとりの状態を詳細に把握した上で、最適な治療プランを提案します。皆さんが「今日はぐっすり眠れた」と思える日を一日も早く取り戻せるよう、スタッフ一同全力でサポートいたします。放置せず、ぜひ私たちのクリニックへご相談ください。
夜間痛の原因
なぜ、日中よりも夜間に肩などの関節の痛みが強くなるのでしょうか。実はこれには医学的な理由がいくつか重なり合っています。患者さんが診察室で「夜になると疼いて仕方がない」とおっしゃる時、私たちは主に以下の4つの要因を考慮しながら原因を探っていきます。
1.重力の影響による関節内の変化
起きている時は腕の重みによって肩の関節の隙間が適度に保たれています。しかし、横になるとその重力がかからなくなり、肩の骨同士の隙間がわずかに狭まってしまいます。この時、炎症を起こしている組織や滑液包(かつえきほう)というクッションの役割を果たす袋が圧迫され、激しい痛みが生じます。特に寝返りを打つ際など、特定の角度で組織が挟み込まれることで眠りを妨げるほどの強い痛みに繋がることがあります。
2.関節内圧の上昇
夜間に横たわると、肩の関節を包んでいる「関節包(かんせつほう)」という袋の中の圧力が高まりやすくなります。炎症がある状態でこの圧力が高まると、周囲の神経が過敏に刺激されて強い痛みを感じます。これを専門的には「関節内圧の上昇」と呼びますが、特に炎症が強い急性期には、ほんの少しの姿勢の変化でも耐えがたい痛みが生じることが多々あります。私たちのクリニックでは、こうした内圧の状態も考慮し、痛みを和らげるポジショニングの指導を行っています。
3.血流の変化と発痛物質の蓄積
夜間は副交感神経が優位になり、全身の血流が変化します。日中の活動時とは異なり、局所の血流が滞りやすくなる側面があります。血流が低下すると、炎症によって生じた「痛みのもと」となる物質が患部に留まってしまい、神経を刺激し続けます。また、寝ている間に肩が布団から出て冷えてしまうと、筋肉や血管が収縮し、さらに痛みの物質が停滞しやすくなるという悪循環に陥ります。
4.精神的な集中と静寂
医学的な身体要因とは別に、心理的な側面も無視できません。日中は家事や仕事、テレビなどの外部からの刺激に意識が分散されていますが、夜の静寂の中では自分の体の感覚に意識が集中しやすくなります。これにより、それまでは気にならなかった程度の痛みであっても、脳が「非常に強い痛み」として増幅して感じてしまうことがあります。私たちは、こうした患者さんの精神的な不安にも寄り添うことを大切にしています。
夜間痛によって引き起こされる病気
夜間痛はあくまで「症状」の一つであり、その背後にはさまざまな疾患が隠れている可能性があります。原因を特定せずに放置すると、関節の動きが極端に悪くなるなどの後遺症が残る場合もあります。代表的な疾患について詳しく解説します。
肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)
最も一般的に知られているのがこの病気です。40代から50代以降に多く見られ、肩の関節をスムーズに動かすための組織に炎症が起こります。最初は夜間痛から始まり、徐々に肩が上がらなくなる「拘縮(こうしゅく)」という状態へ移行するのが特徴です。芦屋周辺にお住まいの患者さんからも「服の着替えが辛い」といったご相談をよくいただきますが、早めの介入がその後の可動域改善を左右します。
肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ)
肩を支える4つのインナーマッスルである「腱板(けんばん)」が、加齢や怪我によって切れてしまう状態です。五十肩と間違われやすいのですが、腱板が断裂している場合は、自力で腕を上げることが難しくなったり、夜間に非常に鋭い痛みが出たりします。当院では、診察時に高解像度のエコー検査を用いて、その場で腱板の状態を精密に確認することが可能です。
石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)
肩の腱の中に石灰(リン酸カルシウム)が沈着し、急激な炎症を引き起こす病気です。これは「突然、肩に激痛が走り、一睡もできなかった」という方に多く見られます。石灰がパンパンに膨らんで周囲を圧迫するため、夜間痛が非常に強く出るのが特徴です。激痛で救急外来を受診される方もいるほど、整形外科領域では有名な急性の痛みです。
上腕二頭筋長頭腱炎(じょうわんにとうきんちょうとうけんえん)
力こぶの筋肉の筋が、肩の骨の溝で擦れて炎症を起こすものです。腕を前や横に動かした時に痛むだけでなく、寝返りなどで腕が捻られた際に強い夜間痛を引き起こす要因となります。特にスポーツをされる方や、重い荷物を持つ機会が多い方に多く見られます。
夜間痛の処置や治療法
ささき整形外科リハビリクリニックでは、患者さんのライフスタイルや症状の進行具合に合わせて、以下のような段階的な治療を組み合わせて行います。私たちは単に痛みを取るだけでなく、元の生活に戻るための機能回復を重視しています。
精密な診断と適切な薬物療法
まずはレントゲンやエコー、必要に応じて提携医療機関でのMRI撮影を行い、痛みの原因を特定します。急性期の激しい痛みに対しては、消炎鎮痛剤の処方や、炎症を抑えるためのステロイド注射、ヒアルロン酸注射などを行います。特に、エコーで見ながら針先を誘導して癒着した組織を剥がす「ハイドロリリース」は、神経の滑走性を改善し、痛みの緩和に期待が持てる手法です。
理学療法士によるリハビリテーション
痛みが少し落ち着いてきたら、当院が最も力を入れているリハビリテーションを開始します。当院には経験豊富な理学療法士が在籍しており、硬くなった筋肉をほぐすだけでなく、肩甲骨の動きや全身の姿勢を整えます。肩だけの問題ではなく、体幹や背骨の動きを改善することで、肩への負担を根本から減らしていくことが可能です。理学療法士との二人三脚の治療が、再発防止の鍵となります。
生活習慣の指導とセルフケア
夜間痛を和らげるためには、自宅での工夫も欠かせません。痛む側の肩の下にクッションやバスタオルを敷いて、肩が後ろに落ちないように支える「ポジショニング」の方法を具体的にアドバイスします。また、入浴による血行改善や、炎症を悪化させないための日常動作のコツについても、お一人おひとりの生活に合わせてお伝えします。
料金について
以下に目安となる料金を記載いたします。
| 項目 | 内容 | 費用(目安) |
|---|---|---|
| 初診・再診料 | 保険診療(3割負担の場合) | 約1,000円 - 3,000円 |
| リハビリテーション | 理学療法(1単位20分) | 保険規定に準ずる |
| PRP療法 | ご自身の血液を利用した | 110,000円 - 165,000円(自由診療) |
| 骨密度測定 | 全身型骨密度測定器による検査 | 約1,500円(保険適応時) |
本治療は医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。当院で使用する遠心分離機器などは国内承認済みのものを使用しています。
夜間痛についてのよくある質問
Q1.夜間痛がある時は温めるのと冷やすのどちらが良いですか?
A1.急激に痛み出したばかりの時期や、熱感(触ると熱い感じ)がある場合は、氷嚢などで軽く冷やすと炎症が落ち着き、痛みが和らぐことがあります。一方で、数週間以上続いている慢性的な痛みの場合は、お風呂などでゆっくり温めて血流を良くする方が効果的です。自己判断で迷われる場合は、悪化させる前に一度ご相談ください。
Q2.痛みが強くても無理に肩を動かした方が良いのでしょうか?
A2.激痛がある時期に無理に動かすと、かえって組織の炎症を悪化させてしまう恐れがあります。一方で、痛みが落ち着いているのに動かさないでいると、関節が固まって「凍結肩」になってしまいます。私たちは診察を通じて、今のあなたが「安静にすべき時期」なのか「積極的に動かすべき時期」なのかを的確に判断し、最適な運動プログラムを提示します。
Q3.四十肩・五十肩は放っておけば自然に治ると聞きましたが本当ですか?
A3.確かに自然に痛みが引くこともありますが、放置すると肩の動きが極端に悪くなり、日常生活に大きな支障を残す可能性があります。また、実際には腱板断裂などの別の病気が隠れていることも多いため、痛みが続く場合は専門医によるチェックを受けることを強くお勧めします。「ただの五十肩だろう」と過信するのは危険です。
Q4.寝る時に少しでも楽になる姿勢はありますか?
A4.仰向けで寝る場合は、痛む側の肘から手首の下にクッションを入れ、お腹の上に手を置くような姿勢にすると肩の負担が減ります。また、横向きで寝る場合は、痛い方の肩を上にして、抱き枕などを利用して腕を支えると楽になることが多いです。診察時に具体的なタオルや枕の使い方を実演してお伝えしています。
院長より
肩の夜間痛は、体験した人にしかわからない本当につらく、孤独な症状です。暗い部屋で一人、痛みに耐えていると、気持ちまで沈んでしまうこともあるでしょう。私たちささき整形外科リハビリクリニックは、そんな皆さんの不安をしっかりと受け止めたいと考えています。私はこれまで、神戸大学附属病院や地域の基幹病院で整形外科部長を務めるなど、数多くの肩や膝の関節治療に携わってきました。芦屋市海洋町のこのクリニックが、皆さんにとっての安心の拠点になれば幸いです。またぐっすりと眠れる明日を、一緒に目指していきましょう。
